ITと哲学と

IT系エンジニアによる技術と哲学のお話。

コロナ禍に中国長期出張に行った話 中編

コロナ禍のこの時期に、中国長期出張に行ってきたので思い出をまとめておこうと思います。

長期の海外生活自体も初めてでしたしコロナ禍のこの時期の海外渡航履歴ということで結構珍しい体験だったと思うので、未来の自分が思い出して懐かしむためにメモを残しておこうという魂胆です。

期間は2021年の11月5日から2022年1月30日までの87日間で、中国の上海と河南省鄭州市というところに行ってきました。

私が長期出張に行ったタイミングでは、まず中国上海に到着後2週間の隔離を受け、その後目的地である河南省鄭州市に到着してからさらに2週間の隔離を受けなくてはなりません。

つまり、のべ1ヶ月の隔離生活が始まったわけです。

隔離生活 @上海

生活に必要な物資については、ホテルに着いた段階で最低限用意されています。

1ダースくらいのペットボトルの飲み水やゴミ袋が備え付けでありました。 2週間で1ダースの飲み水では足りないため、水など必要な物資は自分で注文することができます(後述しますがホテルにより状況は異なる)。

上海の隔離ホテルでは、購入可能な物資のリストが用意されており、ここから必要なものをAlipayもしくはWechatで注文することができます。 なお、アルコールは隔離中は購入できません。禁酒です。辛い。

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調達可能なものリストの一部

Wechatでの支払いは中国国内の銀行口座が必要なので口座がない人はAlipay Tour Passという中国人ではなくても利用できるキャッシュレスの支払い手段を使う必要があります。少なくとも隔離される前にはAlipay Tour Passで支払いができる状態を作ることを強くお勧めします。

私は隔離されてから知ったので、Alipay Tour Passの登録を行なったのですが、慣れない作業でミスしたり試行錯誤していたところ、不審な利用者と判定されAlipay Tour Passのアカウントがフリーズされるという事故がありました。 Alipay側に連絡すると電話で直接喋って問い合わせしないと解除できないと言われ、慣れない英語で会話して凍結解除の申請をしました。申請してもすぐに解放されるわけではなく、支払いができるようになるまでにかなりの時間を要しました。

幸いチームメンバーも同じホテルで隔離だったのでうまく支払いができているメンバーに立て替えてもらって水を買い、なんとか生き延びましたが。。

部屋自体は日本のビジネスホテルとは違いかなり広く、快適でした。 壁一面窓だったので、隔離という言葉から想像される閉塞感みたいなものはかなり少なかったです。

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上海の隔離ホテル。日光が入ってくるので快適。右奥に一人がけのソファーがあり、読書なんかしてると大変良い。

ただ、これも運次第のようで、チームメンバーの部屋はめっちゃ暑くてしんどいとかあったようです。 他の渡航者の話を聞くと窓がない部屋だったというようなケースも聞きました。

心配していたご飯も初日以降はかなりバリエーションが豊かで、大変ありがたかったです。

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とある日の晩御飯

この頃は比較的仕事的にも余裕があったので、息抜きにリングフィットアドベンチャーやフィットボクシングをやって体を動かしていました。

辛かったのは、隔離期間はリネン類の交換がないという点です。 シーツやタオルなど2週間交換がないため、ファブリーズを駆使してなんとか凌ぎました。 渡航され隔離を過ごされる方はファブリーズ必須です。

それと、洗濯も手洗いになります。 色々試しましたが、大きめの袋に服と洗剤と水を入れつけ置きし、シャワーのタイミングで洗う方法に落ち着きました。 吸盤でつけられるタイプの洗濯干し紐がかなり役に立ちました。

比較的穏やかに、2週間の隔離生活が終わりました。

隔離生活 @鄭州

上海での隔離が終わった後、タクシーで上海空港に向かいます。 久しぶりの娑婆です。天気も良く晴れ晴れとした気持ちで最終目的地の鄭州へと向かいました。

鄭州に飛行機がついたら外国人向けの手続きを済ませます。これもかなり待たされますが屋内だったので割と気は楽でした。

手続きが終わると、この乗り物に乗って、次の隔離ホテルへ移動します。

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隔離ホテルへ向かう謎の乗り物

これ、実は救急車です。 空港から隔離ホテルまで、救急車で1時間くらい走ります。 高速道路でいったのですが、だいぶ車内揺れました。 海外で救急車に乗る日が来るとは思いもしませんでした。大変貴重な経験ができました。

鄭州の隔離ホテルはこんな感じ。

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鄭州の隔離ホテル

ポイントはベッドがシングル2つになっています。 日替わりでベッドを変えることでリネン変えてくれない問題に対応することができます。

上海のホテルよりは解放感がなく、少し残念ではありましたが、それでも日本のビジネスホテルと比べるとだいぶマシです。

ここのホテルは飲料水用の蛇口があるため水を買わなくても生活ができます。 上海のホテルとは異なり調達可能リストはなく、普通にネット通販頼んだら届くとのことでした。 なおアルコールはNGとのことです。

ご飯はとても美味しいのですが、毎食量が大変多く、申し訳ないですが全部食べることはできませんでした。

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とある日の昼ごはん。マーラータンがうまい

ここでも上海同様に部屋の外に小机があり、そこに毎日配給がおかれ、部屋がノックされるシステムです。

上海では毎日白づくめの職員が訪問してきて、熱を測ったりコミュニケーションをとるのですが、鄭州ではWechat上でのコミュニケーションとなります。 自分で熱を測り、Wechatで報告する。これを日に2回行います。

私は中国語ができないのですが、Wechatはチャットを翻訳する機能がありだいぶお世話になりました。

一緒に行った出張メンバーに中国人がいたのですが、彼女が職員さんと会話している中で「彼らは日本人だけど配給は口に合っているか?」と心配してくれていたようです。こんな大変な状況で気遣ってもらって大変ありがたいなと思いました。ご飯は大変口に合いました。隔離中は禁酒なのに太りました。

そんなこんなで鄭州での隔離生活も無事終了しました。 後編に続く。