ITと哲学と

IT系エンジニアによる技術と哲学のお話。

会社でハッカソンをやってみた きっかけ編

社内でハッカソンの運営メンバーを経験させていただいたので、その際に考えたこととかの知見をまとめてみようと思う。(所属する組織の意見や考え方ではなく、あくまで私個人の考えや得た知見であるので注意)

今後同じようなフリを受けて悪戦苦闘する人の役にたったらいいなと思う。

先にハッカソン全体の結論だけ述べておくと、やって良かった。とてもとても。

自分の中で、一緒に働くメンバーへの信頼感が大きく育った。 具体的には、なんの制約もない世界だと、普段一緒に働いているメンバーはこんなにもぶっ飛んだワクワクするアイディアを出してくるんだ。と思った。 限られた時間の中でモノを作り上げようとするみんなの姿に尊敬を覚えた。

きっかけ

9月下旬の期が変わりそうなタイミングで上司が席に訪れて「ハッカソンとかやってみたい」とおっしゃった。 「泊まりで温泉旅館とかにこもって、バリバリ開発したら楽しいんじゃないか」とのこと。 ここから全てが始まった。

まずは目的を明らかにしよう

ハッカソンとかやってみたい」ということがどんな目的を持っているのかをまずは浮き彫りにする必要がある。

ハッカソンとかやってみたい」と一言で言っても、純粋になんとなくハッカソンってモノを知って面白そうキラキラってなってるのか、それとも感じている問題がありそれを解決するための方法としてハッカソンとおっしゃっているのか。 背景となる問題があるのであれば、それを解決する最良(つまり最速or最善)の方法がハッカソンなのかどうかなど、急にハッカソンと言われて焦る気持ちを落ち着けて、考えていく必要がある。

これを明らかにするためにまず、なる早でかつ関係者全部入れてMTGをセッティングした。 熱いうちに想いをチームで共有するためになる早で。かつ想いは「単なる事実」ではないため、伝言ゲームしていくと事実より大幅にずれる。なので、キックオフは全員参加で直接一次ソースから全員が熱を受け取れるようにしたい。

このMTGの結果、以下の通りの目的を上司が持っていることを明らかにできた。

  • 技術のアップデート
  • 自ら出したアイディアで開発を進めることによる主体性の発揮
  • 共同で生活をすることでお互いを知る(エンジニア系メンバー以外も全員で参加すること※)

※ なお家庭の事情などで宿泊が難しい人もいるのでその人たちは通いでも可とした

逆に今回目指さないものを以下の通り定義できた。

  • 製品化に向けた実用的なアイディア
  • イノベーションを起こして今後の製品開発に活かす

特にこの目指さないものを決めるという点が忘れがちだが大事で、プロジェクトを進める上での意思決定の重要な基盤となっている。 可能であれば目指すものについて優先順位もつけたかったが、MTGの中で「ごめんこれらの優先順位は決めきれない」との宣言があり、優先順位づけは諦めた。

なお、これによりトレードオフ(特に以下の2点)の場面での意思決定の難易度が上がった。

  • 技術のアップデート
  • 互いを知る

技術を磨くことを目的とした場としつつ、エンジニアでないメンバーにとってもプラスになるような場を作るという点が、このプロジェクトの一番の課題となった。

目的を受けてやるべき内容を考える「本当にハッカソンなのか?」

例えば共同生活により互いを知ることが目的なのであれば、ハッカソンではなく一緒に宴会をしたり、社員旅行(部署旅行?)をしたりすれば良い。ハッカソンの準備とかすげえ大変なので、これが最良の選択肢になり得るだろう。

目的によってはハッカソンまで行かなくてもアイディアソンの実施でも良いかもしれない。 みんなでユニバに行こうとかでも解決案になりうる。ユニバはとても楽しい。

今回は技術的なアップデートなど様々な点から検討し、ハッカソンが一番目的を達成できるだろうということでハッカソンに決定した。

今回はここまで。