ITと哲学と

IT系エンジニアによる技術と哲学のお話。

Osaka Mix Leap Study 特別編 - CTO Night KANSAI

Osaka Mix Leap Study 特別編 - CTO Night KANSAIに参加させていただいた.

【増枠】Osaka Mix Leap Study 特別編 - CTO Night KANSAI - connpass

うちにはCTOという役職はないが聞いたことはあるなー程度の知識であり,CTOという役割自体にはあまり興味がなかったが,ブレイクアウトセッションの「死の谷の先へ」に強く惹かれたので行ってみた.

結論から書くと,面白い話を聞けたし,CTOという職業自体に強く興味を持つようになったので,行ってよかったと思っている.

運営いただいたヤフーさんありがとうございました.

死の谷の先へ 〜 Yahoo!路線 混雑予測リリースまでの道程 〜

はじめに,今回の目的だったブレークアウトセッションを聴講した.

募集サイトにあった概要はこんな感じ.

研究開発の成果が具体的な事業化・製品化に結びつかないことが多々あるのですが、この研究開発と事業化の間にあるギャップを”死の谷”と呼びます。 路線サービスではその死の谷を乗り越え、研究成果をサービスの新機能(異常混雑予報)としてリリースすることができました。 しかし、そこまでの道程は決して平坦ではありませんでした。 今回は案件を通じて実際に経験した死の谷に焦点を当てながら、企画からリリースに至るまでの経緯を話したいと思います。 新しいことに挑戦したい、今まさに挑戦しようとしている方の参考になれば幸いです。

受講前に期待していた内容

これから自分がぶち当たることになるかもしれない死の谷について学んで,心構えを作る.

問題が起きた時に解決できるように,これは自分に固有の問題ではないと思えるように知っておきたい.

結論

期待していた内容が達成できたので,すごく満足感が高かった.

事例の中で3つの死の谷を乗り越えた体験談をお話ししてくれた. 3つとは以下の通り.

  • 共同研究開始時点
  • 担当者退職時点
  • 製品開発時点

特に共同研究開始時点と製品開発時点はリソースの確保という共通項があった.これを解消するためにどんな戦略をとったのか?というお話.

小さく初めて,成果が出そうであればそれを持って上司と相談する.製品化においても一度で全てをやりきろうとせずに,小さく作って大きく育てて行くリーンの考え方を持って行動する.

今となってはいろんな本でも見かけるし,定石的な進め方に感じるが,これを3年前から実践されていたというところがポイントなのかもしれない.

以前読んだ【「事業を造る人」の大研究】で言われているような内容を実践者から直接聞けた感じで,過去の読書体験が実践例と結びついた.

読書メモはこちら.http://masamasa.hatenadiary.jp/entry/2018/05/06/112624

いかに周囲の協力を得ていくか,賛同を得ていくかというのが悩みポイント.

質疑応答の中でも「モチベーションを保つために必要なことは?」に対して「時流が味方してくれたのでモチベーションが保ちやすかった」と回答されていた.それくらい周囲の賛同は大事なこと.

以下感想だが,いかにその時流を自分から作り出すか?もしくは見出すか?はたまたコントロールするか?という点については,僕自身まだわかっていない. どこかで真剣に考えないといけない自分の課題だなと思っている.

パネルディスカッション

エンジニアというキャリアの「魅力」と必要な「覚悟」は?

新しいものを生み出してユーザーに使ってもらうことが魅力というのが全体として共通していた.

覚悟についてもその裏返しで,エンジニアが新しいものを生み出し続けるから業界全体の変化し続けるスピードが早いわけで,キャッチアップするために学び続ける覚悟が必要というお話だった.

みんなが新しいものを作り続けることが原因で,みんながキャッチアップ大変って思ってるところがなんかこう,面白いと思った.

エンジニアリングは沼なのかもしれない.

エンジニアに向いている人とは?

魅力と覚悟に紐づいた話が多かった.

新しいもの好きで,キャッチアップして行くような人. モノづくりが好きで,それを使ってもらうことに喜びを感じる人たち.

向いている人っていうか,今エンジニアやってる人ってこういう人たちだよねーって言い換えても成立するようなお話.

CTOの役割とは?

業界の状況や会社のステージによってCTOの役割は様々だけど,技術って根っこがあった上でなんかする人たちって印象だった.

技術的な知見に基づいて,ビジネスについていろんなことを決めたり,ステークホルダーに説明したりする人たちって感じなのかな.

個人的に共感したのはヤフーのCTOの方がおっしゃっていた「非技術系の経営層に技術的な内容を理解してもらうためには,銀の弾丸なんてなくて,1on1で丁寧に説いて行く必要がある」という点だった.

正直,CTOは組織構造の上の方の人たちなので,その人たちの悩みとか仕事内容とか聞いても自分のスコープから外れてるんだろうなと思っていた.

けど,これは共感できる悩みだった.自分が感じている課題みたいなものを一個一個倒していった先にCTOというキャリアがあるのかもなーと漠然と思えた.

CTOの次のキャリアは?

みなさん共通していたのは学び続ける姿勢だった. 色々と熱い話だった.

最近,LIFE SHIFT的な話がそこかしこで聞こえてくる. もはや合意された未来予想図になってるんだろうなという印象を強めた.

流し読みしかしてないので,もう一度読み直したほうが良いかも.

質疑「CTOなのですが、部下の方が技術知識があるようになってきて自信がなくなってきました。どうしたらいいでしょうか。。」

CTOが常にトップである必要はないし,CTOが組織のキャップになってはよくない. そもそもCTOの役割としてエンジニアリング組織をマネージするってのもあるので,部下が育っているのはとても喜ばしいこと.

というのが一致していた回答だった.

が,個人的にはぽろっと出てきた「僕は負けたくないから勉強しますけどね」が印象的だった.ぽろっと出てきた言葉だけど,なんか凄みを感じた.

おわり.