ITと哲学と

IT系エンジニアによる技術と哲学のお話。

SPRINT最速仕事術を読んで(月曜日編)

SPRINT最速仕事術を読んだのでまとめてみる. 長くなりそうなのでまずはざっくりとした全体像と月曜日のタスクについてまとめる.

SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

スプリントとは?

GV(Googleベンチャーズ)が活用しているプロセス.
5日間のタイムボックスで1つの実験を行うことで,難しい問題に対して迅速に結果を得ることを目的としている.
ここでの結果とは,アイディアの成功という結果や失敗という結果をさす.
成功する素晴らしいアイディアを必ずしも得られるということではなく,本来的には長い時間かけないと成功するか失敗するかわからなかったような複雑な問題に対して 迅速に結果が得られるというところが利点.
素早く市場から学びを得ることを目的としたプロセス.

スプリントの大まかな流れ

  • 月曜日:目標を固める
  • 火曜日:思考を発散させる
  • 水曜日:ベストを決める
  • 木曜日:幻想をつくる
  • 金曜日:テストする

スプリントのメンバー

専門分野に精通し,課題に情熱を持っている人を集めて7人以下でチームを作る.
その中には決定権者を絶対に含めるべき.
これらのメンバーには5日間はそれ以外の仕事から外れてもらって,スプリントに完全集中できる状態を作ること.

月曜日:目標を固める

プロジェクトの長期目標

目標は高く,ポジティブに,下記の長期目標を決める.

  • プロジェクト完了時に何を成していたいのか?
  • どうなっていたいのか?

スプリントクエスチョンを書き出す

今度は逆に悲観的に,プロジェクトが失敗したと仮定した場合の原因を探す.
敗北条件を定めるとも言い換えられる.
同時に,長期目標達成のために満たされるべきポイントも洗い出す.

洗い出したものを,「○○○は×××だろうか?」という疑問に置き換える.
置き換えることでワクワクする興味深い疑問に変える効果がある.

マップを作る

全体を俯瞰し,問題の構成を把握するために役立つマップを作る.
マップは複雑な問題を人間が扱える程度の複雑さに変換する効果がある.
マップは以下の要素で構成される.

  • アクター
  • 完了(例えばECサイトであれば購入など)
  • 一言フレーズと矢印

ここでいう一言フレーズは「動詞」になりそうなきがする.
アクターと完了をつなぐステップであり,アクターの動きを表すものが一言フレーズなのかもしれない.

専門家に聞こう

スプリントで解決したいような大きな問題には様々な陰影がある.
みる立場や方向によって色々な様相を呈する.
なので多くのソースから情報を集めることが大切になる.

特に以下の4つの軸で情報を集めることはとても大切である.

  • 戦略
  • 顧客の声
  • 仕組み
  • 過去の取り組み

これらをヒアリングし,マップの修正を行う. また,同時に「どうすればメモ」を作成する.

どうすればメモ

専門家の話から得られた情報やそこで生じた疑問,面白いと思ったことを「どうすれば」から始まる形で付箋に書き出していく.

チームみんなで書き出したメモをホワイトボードに張り出して,役に立ちそうな質問にみんなで投票する.
得票数が多かったものについて,先ほど作ったマップを振り返り,疑問が該当する箇所にどうすればメモを貼り付ける.

これによってマップ上での対応関係がわかるようになる.

ターゲットを決める

スプリントを通して取り組むべきターゲットを決定する.
ターゲットは「最もリスクが高く,最も大きなことができそうなもの」を選ぶと良い.
これはどうすればメモを見ると想像ができるはずなので,マップに貼り付けられたどうすればメモを参考にする.
どうすればメモを参考にして,マップ上からターゲットとなるアクターと一言フレーズを最終的には決定する.

これが決まったらスプリントクエスチョンを見直して,今回のターゲットで答えることができるものをピックアップする.

月曜日まとめ

長期目標でプロジェクトの達成すべきゴールを定めて,それに関連するスプリントクエスチョンを洗い出した.

全体を俯瞰するためのマップを作り,専門家の意見を取り入れてブラッシュアップした.

さらに,専門家の意見からどうすればメモを作り,チームの興味ある方向を共有した.

上記を受けて今回のスプリントでターゲットとなる瞬間を決定し,これによって答えが得られるスプリントクテスチョンが明らかになった.

残りの4日間はこれを明らかにするために頑張ろう.

とりあえず,月曜日のお仕事はこれにて完了.